
マニュアルを作成しようとすると、「WordやExcelにスクリーンショットを1枚ずつ貼り付けて赤枠を引く作業に時間がかかりすぎる」「高機能なマニュアル作成ツールを導入したものの、操作が複雑で現場に定着しなかった」といった課題に直面します。
こうしたマニュアル作成手法や大型ツールが抱えていた「作成・更新の手間」「セキュリティへの懸念」「導入コストと操作の難しさ」という課題を解消するために設計されたのが、Windows向けPC操作記録アプリ「M-Baton(エムバトン)」です。
本記事では、まず調査データから従来手法の実態を整理し、その課題に対してM-Batonを導入することで、どのように解決できるのかを、5つの理由に沿って解説します。
1. 従来のPCマニュアル作成手法・ツールが抱える3つの課題
マニュアルが現場で形骸化するのは、担当者の努力不足ではなく、手法そのものに構造的な限界があるためです。2026年に公表された複数の調査から、従来手法の実態を3つの類型に分けて見ていきます。
課題① Officeソフト:作成も更新も手作業で、更新が追いつかない

マニュアルの作成手段は、Officeソフト中心なのが現状です。会社員600名への調査(株式会社LR(Flowbase運営)「業務マニュアル作成実態調査2026」)では、Excel・スプレッドシートが54.7%、Word・Googleドキュメントが50.0%、PowerPointが41.7%でした。専用のマニュアル作成ツールは12.0%にとどまります。
またマニュアル作成の現場への負担は数字にも表れています。
29.7%が、マニュアルの作成に月8時間以上かけている(月に丸1営業日分に相当)
80.3%が「更新が追いつかないマニュアル」を抱えている(「かなり多い」19.7%、「いくつか」60.6%)
従業員300名以上の企業でも、43.6%が「3年以上更新されていないマニュアル」があり、16.9%ほど「誰も見ていないマニュアル」がある
株式会社スタディスト「業務実態把握調査」:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000168.000032315.html
課題② クラウド型ツール:導入しても現場に定着しにくく、機密画面も載せづらい

クラウド型は共同編集や共有に強い一方、「導入したこと」と「使われること」とは別の課題があるようです。
経営主導で導入されたツールが「かえって現場の負担を増やした」経験がある管理職は60.7%
負担増を経験した管理職が「ツールを機能させるために必要」と答えたのは、「現場の実態に合ったツール選定」(41.2%)と「導入前に現場の意見を十分に聞くこと」(31.6%)(スタディスト調べ)
もう一つの壁は、業務画面を外部サーバーに置くことへのセキュリティ審査です。顧客情報や人事・給与データが映る画面ほど、クラウドへのアップロードが難しくなります。さらに、画像の撮影や加工の手間が残るツールも多く、課題①の「手作業の重さ」は解消されません。
課題③ 従来の高機能デスクトップ型ソフト:高額・多機能で、中小企業では導入合意が難しい

自動記録に対応した高機能ソフトは、初期費用が数十万円〜、年間保守も数十万円規模になりやすく、中小企業には負担が重い選択肢です。調査でも、中小企業の実態が見えます。
従業員300名未満の企業では、59.1%が業務標準化の取り組みを「特になし」と回答(300名以上では、手順書の整備が56.9%)
「特定の人にしかできない」属人的な業務がある割合は、300名未満で58.0%(300名以上は59.2%)
経営者・役員が、現場維持の対策が進まない理由として挙げた上位は「予算・コストの制約」(29.3%)と「人材不足」(28.0%)
経営層との認識ギャップを感じる管理職は70.3%(スタディスト調べ)
予算も人手も限られるなかで、高額で操作が複雑なソフトを稟議にかけ、さらに現場に習得してもらうのは、ハードルが高いと言えます。
3つの課題に共通する現状は「結局、人に聞く」

どの手法でも、マニュアルが使われなければ知識は個人に滞留します。業務で困ったときの確認方法は、「上司・先輩に直接聞く」が63.8%で最多でした。「マニュアル・手順書を見る」は25.7%にとどまります。
聞く側は作業を止め、聞かれる側は本来業務を中断されます。この積み重ねが、組織全体の生産性を静かに下げていきます。
作成手法・ツールの分類 | 主な特徴 | 現場で起きやすい課題・限界 |
|---|---|---|
Officeソフト(Word / Excel / PowerPoint) | 追加コストなしで始められ、自由なレイアウトが可能 | スクショ撮影・切り抜き・赤枠描画・サイズ調整がすべて手作業。作成と更新に多くの工数がかかり、担当者によって体裁にばらつきが出る。 |
クラウド型マニュアル作成ツール | ブラウザ上で共同編集・共有ができ、社内Wiki機能などを備える | 外部クラウドへ業務画面をアップロードするため機密情報のセキュリティ審査が厳しい。また、キャプチャ撮影や画像加工の手間自体は残る場合が多い。 |
従来の高機能デスクトップ型自動作成ソフト | PC操作を自動記録し、多彩な編集機能や多形式出力を備える | 初期費用数十万円〜、年間保守費用数十万円と高額になりやすい。機能が多すぎて編集画面が複雑になり、ITに不慣れな現場担当者が使いこなしにくい。 |
このように、「手作業は負担が大きくて続かない」「クラウド型は機密画面を載せづらい」「従来の自動記録ソフトは高価で操作が難しい」というジレンマが、現場でのマニュアル整備を阻む要因となっています。
2. 従来のPCマニュアル作成ツールと何が違う?M-Batonが選ばれる5つの理由
M-Baton(エムバトン)の機能設計は、従来のツールが抱えていた上記のジレンマを解消し、「現場の誰もが、普段の業務を止めずに手順書を作成・更新できること」に焦点を当てています。他のツールと比較してM-Batonが選ばれる5つの理由を見ていきましょう。
理由1:いつものPC操作をするだけで「スクショ撮影+赤枠ハイライト」まで自動記録される
手作業でのマニュアル作成で特に時間を要するのが、「画面を撮影し、画像を切り貼りし、クリックした場所に赤い四角や矢印を描く」という工程です。
M-Batonでは、記録ボタン(またはショートカットキー)を押して普段通りにパソコンを操作するだけで、クリックやキーボード入力のタイミングに合わせて画面を自動撮影します。さらに、クリックした座標を自動で判別して強調枠(ハイライト)まで自動描画するため、「撮り忘れたから最初からやり直し」「1枚ずつ赤枠の位置を合わせる」といった手作業が不要になります。画面全体を撮る「フルスクリーン記録」と、特定ウィンドウや指定範囲だけに絞る「エリア記録」も用途に応じて切り替えられます。
理由2:撮影後でも「拡大(ズーム)・表示位置移動・部分差し替え」が柔軟に行える
従来のキャプチャ手法では、撮影範囲を少し間違えたり、後からシステムの画面デザインが一部分だけ変わったりした際、もう一度最初から撮影し直す必要がありました。
M-Batonでは、撮影した後の画像であっても、エディタ上で見せたい部分を後から拡大(ズーム)したり、ドラッグ操作で表示位置を調整したりすることが可能です。
また、業務手順の一部が変更になった際も、最初から全て撮り直す必要はありません。「再レコーディング機能」を使えば、変更があったステップの間だけにピンポイントで新しい操作記録を挿入・差し替えできるため、システムのUI変更や業務ルールの改定にも柔軟に対応できます。
理由3:機能を絞った「迷わないシンプル設計」と「AIアシスト」で品質が均一化する
従来の高機能なマニュアル作成ソフトは、フォントサイズの細かい変更や自由な図形配置など多彩な編集機能が詰め込まれている反面、「どの機能を使えばいいか迷う」「作る人によってデザインが揃わない」という課題がありました。
M-Batonは、手順書作成に本当に必要な機能(ハイライト、矢印、枠線、塗りつぶし、モザイク、見出し挿入)に厳選し、あえて複雑なレイアウト調整機能を省いています。各ステップの画像と説明文が自動で整然とレイアウトされるため、ITスキルやデザイン経験を問わず、誰が作っても統一された見やすい手順書に仕上がります。
さらに、操作説明文の文章を考える時間を減らしたい場合は、録画後に任意のタイミングで「AIアシスト機能(Gemini連携)」を実行することで、操作画面と文脈から自然な日本語の説明文が自動提案され、手直しするだけで説明文が完成します。
理由4:「PCローカル管理」と「既存クラウドフォルダでのチーム共有」を両立している
顧客情報、人事・給与データ、社外秘の基幹システムなど、外部のクラウドサーバーにそのままアップロードできない画面の手順書を作りたい場面は少なくありません。
一般的なクラウド型マニュアルツールではデータが自動的に外部サーバーへ保存されますが、M-Batonが「ローカル管理」にこだわった理由にある通り、M-BatonはPCローカル環境で安全に記録・編集が完結する設計を採用しています。
生データは手元のPC内で安全に管理:記録した画像や操作ログが自動的に外部クラウドへ送信されることはありません。パスワードや個人情報を入力する瞬間はワンクリックで「記録の一時停止」ができ、写り込んだ機密箇所もアプリ内の「モザイク機能」で手元ですぐに隠蔽できます。
Google Driveや社内NASを使ったチーム共有機能:ローカル管理の安全性を保ちつつチームで共同運用したい場合は、PROプランの「チーム共有機能」を活用できます。新たな専用クラウドを契約することなく、普段社内で使っているGoogle DriveやOneDrive、社内NASの共有フォルダを保存先に指定するだけで、チームメンバー間でのマニュアル共有や共同編集、同時編集時の競合回避までスムーズに行えます。
理由5:用途に応じた多彩な1クリック出力と、スモールスタートしやすい料金体系
予算・コストの制約を理由に対策が進まない経営者は29.3%、従業員300名未満の企業で標準化に取り組めていないのは59.1%でした。数十万円〜数百万円規模の初期導入費用がかかる従来のデスクトップ型ソフトは、「まずは1つの部署で試したい」「中小企業で無理なく導入したい」という現場には導入ハードルが高いのが実情です。
M-Batonの料金プランは、個人や小規模チームから法人まで段階的に導入しやすい体系になっています。
無料プランから試せて、PROプランも低コスト:まずは無料で操作感を試せる「Freeプラン(3件まで作成・PDF出力対応)」が用意されており、作成数無制限・全形式出力・チーム共有機能に対応した「PROプラン」も年額19,800円(税込/月額換算1,650円)で利用できます。
多彩な出力形式に対応:印刷やタブレット閲覧に向いた「PDF(A4縦・横切り替え対応)」、ブラウザで閲覧できる「HTML」、社内WikiやNotionに貼り付けやすい「Markdown」、研修資料として加工できる「PowerPoint(PPTX)」、スライドショー形式の「MP4動画」、そしてチーム間で再編集データを引き継げる「.mbaton形式」へ1クリックで書き出せます。現場が見やすい形で届けられるため、「マニュアルが探せない・見られない」状態の解消にもつながります。
3. 従来ツールとM-Batonの比較一覧表
ここまでの違いをひと目で比較できるよう、主要な評価軸で整理しました。
比較項目 | Officeソフト(手作業) | 一般的なクラウド型ツール | 従来の高機能自動作成ソフト | M-Baton(エムバトン) |
|---|---|---|---|---|
スクショ撮影・赤枠付与 | すべて手動(工数が大) | 手動またはブラウザ拡張のみ | 自動記録 | 自動記録+自動ハイライト |
撮影後のズーム・位置調整 | トリミングし直しが必要 | 制限あり | ソフトによる(操作が複雑) | 撮影後でもドラッグで直感調整 |
操作の分かりやすさ | 自由度が高すぎて体裁が乱れる | 多機能で初期構築が必要 | 専門的で学習コストが高い | 機能を厳選し誰でもすぐ使える |
データの保存と共有 | ローカルPC(共有は手動) | 外部クラウドサーバー | ローカルPCまたはオンプレミス | ローカル管理+既存共有フォルダ連携 |
AIによる説明文提案 | なし | 一部オプションあり | 一部オプションあり | Gemini連携のAIアシスト搭載 |
出力フォーマット | 独自形式・PDF | Web共有・PDF中心 | PDF / Office / 動画など | PDF(縦横) / PPTX / HTML / MD / MP4 |
導入コスト目安 | Officeライセンスのみ | 月額数万円〜(ID課金) | 初期数十万円〜百万円超 | 無料プランあり / PRO年額19,800円 |
4. M-Batonはどんな現場に向いているか
ここまで見てきた特徴から、M-Batonが特に力を発揮する現場と、他の選択肢も検討したほうがよい現場を整理します。
向いている現場
Windows環境で、PC操作の手順書を継続的に作成・更新したい
顧客情報や人事・給与データなど、外部クラウドに載せにくい画面を扱う
専任のマニュアル担当者がおらず、現場の担当者が兼務で作成する
まずは無料で試し、効果を確認してから部署やチームに広げたい
他の選択肢も検討したほうがよい現場
Macが中心の環境【要確認:対応OSの最新状況に合わせて調整してください】
動画マニュアルを主軸にしたい(M-Batonの動画出力はスライドショー形式のMP4です)
全社規模の文書管理や、承認ワークフローまで一つのツールで完結させたい
5. まとめ
本記事では、「M-Batonとは何か」という基本仕様から、従来のPCマニュアル作成ツールや手作業との違いについて5つの視点から比較・解説しました。
記録の自動化:普段通りにPCを操作するだけで、スクリーンショット撮影からクリック箇所のハイライト描画までが自動で記録される。
手戻りのない編集・更新:撮影後のズーム・位置調整や、変更箇所だけを撮り直せる「再レコーディング機能」により、作成・更新の負担を大幅に軽減できる。
誰でも使えるシンプルさ:あえて機能を絞り込んだ設計とAIアシスト機能により、ITスキルを問わず社内のマニュアル品質を均一化できる。
セキュリティと共有の両立:生データを手元のPCローカルで安全に処理しながら、既存のGoogle Driveや社内NASを用いたチーム共有・共同編集にも対応できる。
高いコストパフォーマンス:PDF・PowerPoint・HTML・Markdown・MP4動画など多彩な出力に対応しながら、無料プランからスモールスタートできる。
手作業でのスクリーンショット加工に限界を感じている場合や、複雑で高価なツールではなく現場に定着しやすいシンプルな手順書作成環境を探している場合は、上記の比較ポイントを参考に自社の運用に合ったツールを検討してみてください。

出典
株式会社スタディスト「業務実態把握調査」(2026年2月実施・同年5月14日公表、製造・小売・卸売・サービス業等の経営者・役員/管理職/従業員1,233名、インターネット調査) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000168.000032315.html
株式会社LR(Flowbase運営)「業務マニュアル作成実態調査2026」(2026年3月、全国の正社員23〜65歳、スクリーニング6,000名・本調査600名) https://flowbase.so/whitepaper/manual-survey-2026
関連記事

操作マニュアルは「業務のため」ではなく「売上のため」に作るべき理由
操作マニュアルは手順書ではなく、取引先からの信頼を守る仕組みです。属人化...
続きを読む

わかりやすい手順書の作り方とは?必須の5項目と便利な作成ツール
業務の引き継ぎや新人教育のために手順書を作ろうとしたものの、「何から書き...
続きを読む

【最新版】中小企業におすすめのマニュアル作成ツール5選!「価格」「安...
「マニュアルを作りたい」と思っても、実際にはこうした声が現場から上がりが...
続きを読む
記事一覧へ